【借金・債務整理】経営者が自社ビルを任意売却し引っ越し費用を工面した後に破産申立を行った事案

解決事例

ご依頼主:50代男性

相談前

依頼者様は20年間機械の部品を作成する会社を経営していました。工場と事務所は自社ビルでした。景気のいい時期には社員が10名ほどいましたが、景気の低迷で大口取引先からの受注がなくなりました。住居費を削るため自社ビル内に住居を移し、社員も減らしも持ちこたえてきましたが、リーマンショックによりさらに受注が減り、経営が困難な状況に陥りました。それでもご本人は会社の再起を図っていましたが状況を知る妹様に説得され、法律相談にみえました。

相談後

個人ではサラ金の借り入れと会社の融資の連帯保証債務がありました。自社ビルは個人名義でしたので、任意売却しました。任意売却では都民税の滞納処分がありましたが調整に成功し任意売却できました。売却金額より住宅ローン残高が上回っていましたが、金融機関の理解を得て引っ越し費用を売却金から工面することができました。

個人の資産を可能な限り確保するため、管財費用等の実費と弁護士費用は残っていた会社の保険の解約金から充て、個人財産は可能な限り自由財産として確保できるように調整し、同時に東京地方裁判所に社長様及び会社の破産申し立てをしました。

社長様は技術力は有しているため、破産申立後はその技術力により再就職先を見つけていらっしゃいました。

弁護士からのコメント

経営者様は資金繰りがどうしようもなくなって初めてご相談にいらっしゃいます。つらい決断だと思いますが、返せないことを承知で架空の取引を示して金融機関から融資を受ければ詐欺になりかねませんし、闇金に手を出せば家族に迷惑が及ぶ事態に発展しかねません。ご本人の生活の再起にとって破産はやむを得ないことでもありますので、早めいご相談においでいただければと思います。

破産手続きにおいては、少しでも手元にお金を残し生活が立て直せるよう所有不動産を高く売るため任意売却や、残った資金に対して裁判所が個人の再起のために自由財産拡張を認めやすい申し立て等を検討し、依頼者様の生活の立て直しを応援いたします。